本当は本命

❦この作品はフィクションです❦
実在の人物や団体などとは関係ありませんので悪しからず!!

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 二月十四日。
 夕暮れの公園。

 小さい頃から何度も並んで座ったブランコに、今日も隣同士。

 きぃ、きぃ、と鎖が鳴る。

 彼女は少し早く来ていて、ブランコの鎖をぎゅっと握ったまま前を向いている。

「寒くない?」

「平気。」

 手は少し赤いくせに、強がる。

 しばらく揺れて、彼女が小さく息を吸った。

「……今日、バレンタインじゃん?」

「うん、そうだね。
 今年もくれるの?」

 ブランコが止まる。

 小さなハート型の箱を取り出す彼女。
 両手でぎゅっと握りしめ、少し照れた上目遣いで差し出す。

 その瞬間、胸が跳ねる。

「どうしても欲しいって言うなら、あげなくもないけど?」

 腕を伸ばそうとするけど、最後の一瞬で箱を少し自分に引き寄せて、素直に渡せずに内心どうしようと葛藤している仕草が本当に見ていて可愛い。

「俺に?」

「他に誰がいるのよ。」

 ぎゅっと押し出す仕草と小さな声。

 絶対に本命だとわかりきっているが、あえて毎年同じことを聞く。

「義理?」

「義理に決まってるでしょ!
 ……勘違い、しないでよね。」

 手は少しだけ震えている。

「そっか。
 ありがとう。」

「別に……余っただけだし。」

 毎年これを繰り返している。
 可愛くて、可愛くてきる、もうとにかく可愛くて、思わず胸がぎゅっとなる瞬間。

「毎年、俺だけっていうのも?」

 一瞬、彼女の指がブランコの鎖を強く握る。

「幼なじみだから。」

 ぴしゃり。
 強く言うくせに、目は少しだけ揺れている。

 言えばいいのに。
 これは義理なんかじゃなくて、ずっと“好き”って。

 ……いや、言えないのは俺も同じか。

 言おうと思えば、今すぐ言える。
 “俺も好きだよ”って。

 でも、言ってしまったら……。
 この空気はきっと変わってしまう。

 それが怖いのは、たぶん俺のほうだ。

 今みたいに並んで座って、義理って言い張る本命を受け取れる距離。
 それが、たまらなく心地良い。

 夕焼けが、ふたりをオレンジに染める。

 今年も……。
 本命という名の義理、らしい。

✎𓈒𓂂𓏸

【 Happy Valentine’s Day 2024 】

 ツンデレ女子!
 素直に本命に好きだと言えず、、、
 義理チョコとして本命チョコを渡すツンデレ女子、、、

 妄想する限り最高に可愛いがすぎるんだが!!
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2025-05-25 08:28
魅艶 愛伽's avatar
魅艶 愛伽

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