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秘密のアルバイト・雪山編おまけ

「頼んだものだわ」
「ありがと」
「今度は誰の首に鎖掛けるつもり?」
「あら、人聞きの悪い。今回のは鎖の輪一つに過ぎません」
「どういうこと?」
「例えば鎖があるとして、その片端には縛られる首、片端には縛る手があるんでしょ?でも鎖は一つ一つの輪で出来ているもの、その輪自体はただ連結されているだけよ」
「ほーお?つまりその紙切れは誰かに頼まれた鎖の輪、部品ね?組み立てると誰かさんはもう地獄に落ちる同然の」
「さー?」

この野郎ー。今まで何人をも地獄に押し落としたか数えきれないくせに!

「とにかくそれでこの前の北海道の件はチャラよ」
「あたし死ぬところでしたんですが」
「まさかあんな酷い吹雪になるとは思わなかったの。知ってたら始めから計画はキャンセルしたもの」

実は前に雪山で天野とらんまちゃんの出会いを成したのは黒田。そしてそれに条件付きで協力したのがマダムサリー。当初の計画は既存の山荘と似ている山荘をもう一つ準備して、上手く騙して二人だけにするつもりであったが、それこそ実に幼稚な計画でこれではダメだ、と考えてやめようとした。が、ある部下の人工降雪のアイディアを採用、組織をフル稼働して自衛隊の飛行機を使って強行したのである。

「顔が青くなるのは十五年ぶりではなかったの?」
「...若様に何かがあったらあたしも生きてはいけないのだから」

その人工降雪が上手く出来過ぎて話にならない酷い雪嵐になってた。先に山荘に到着していた黒田はらんまちゃんと天野失踪の報告を聞いて始めは上手く出来たと思っていたが、もう一つの山荘に誰もいないという報告と山荘にやっと着いたマダムサリーの救助要請を聞いて慌てて救助隊を送ろうとしたがその夜の間は無理だった。

「離れ小屋をあっちこっちに立て回した部下さんたちに感謝しなければ」
「ニセ山荘用だった資材が余ると聞いたので、なら良い事すると思って建てさせたの」

熱いコーヒーもあの時を思い出せば涼しく感じられるし

「マミーたん?」
「真由美よ。そのアホなあだ名もうやめて」
「そう、ふふっ。あの、本当に蘭子ちゃんを天野副社長のお嫁さんに押すつもり?」
「それが若様の念願ですから」
「だからって蘭子ちゃんの意志は無視して強行するのはダメじゃないの?」

黒田は頭を振るって否定する

「あの子には選択権をあげているの。レースの日、若様が一晩の付き合いを願った時、あの子は自分の選択でオーケーしたの。そしてこの前カジノでも見て見ぬふりしてたら若様の博打癖はそのままだったかもね。あなたに頼んでそのカジノのバイトとして送ったのは確かにあたし。でもそこからの経緯はあの子が自分自身決定したもの。よってクリスマスパーティーでの一押しが成立出来たの」
「それ自体シナリオの上に載せて躍らせたのでは?」
「ふん。この世の人は誰もが誰かのシナリオの上で踊っているのよ。あなたやあたしも」
「そうかしら」
「とにかく、これからもあたしは若様の念願の為押し続けるつもりなの。でも決定はしない」
「はー。蘭子ちゃんも悪い蜘蛛の巣に掛かって苦労するわ」
「あの子の未来の為ならむしろいいと思うけど。ひょっとしてサリー助の後釜に、と考えたんじゃないの?」
「あら、先の復讐?そのあだ名一体誰の作名かしら」
「さー」

後釜?マダムサリーはそこまでは考えていない。確かに天野家の嫁になれば女としては上出来と言ってもいい。それが蘭子ちゃんの意志なら、ね。

「出来る限りあの子の意思を尊重して欲しい。それだけはお願い」
「そうするつもりよ。あたしも女だし」

だから若様の四年後のプロポーズ、もう三年後か。そのバカなことを聞いて黙っていたの。確かにロマンティックねー

「では今日はこれで失礼いたします」
「もうお互い借り無しね」

二人は簡単なあいさつだけで別れた。

...雪山編の裏側話です。ま、パラ色ストーリーにはいつも現実的な裏があるんですけど。黒田さんも苦労するんですね。絵だけじゃなくすとーりーをも楽しむ方の為にこう書いてみました。
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2024-10-29 17:22
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