ラゾヴストリート24で
「学校帰り?」
そう声をかけると少女は一瞬きょとんとした表情でこちらを見た後、あからさまに警戒心を剥き出しにした。
「ああ、待って待って、これを見てくれ」
身分証IDと職業証明書と公開鍵を見せると、ようやく彼女の父親と同僚と言うことを理解してくれた。
「何の用ですか?」
「陽電子のチェックをしたくてね」
「またですか・・・、今月二回目ですよ」
「我々もなるべく負担は少なくしたいと考えてはいるんだよ、本当だよ」
彼女はため息をつくと、諦めたようにその場のベンチに座った。
そして気圧調整するような音と共に、バカッと後頭部が割れて髪の毛は持ち上がり、彼女の脳髄が後頭部から出た。
脳髄と言っても生体的な脳髄ではなく、完全に機械の、無機質な脳髄だ。
「パルス周期の問題ですか?」
「いや、短期的計測では問題無いんだが、もっと長期的周期と不規則変化を我々は見ていてね」
陽電子計測ロッドを彼女の脳髄に近づける。
「その機械、低周波の音を出していて嫌いです」
「短時間で終わらせるよ」
「ところで・・・・、これいつまで続けるんですか?」
「ん?何を?」
「検査を、です」
「何か不都合が?」
「・・・・こちらにも事情があります」
「リンドくんのことかい?」
一瞬、彼女の全身がびくっと跳ねる。
「・・・はい」
「彼と自由恋愛するのは構わないけど、それと検査に何か?」
「彼に・・・この姿を知られたくないです・・・」
「嫌われるかもしれないから?」
「・・・はい」
「恋愛の結果に責任は持てないけど、検査を忌避する理由にはならないな、彼の見えていないところでするのは?」
「緊急時も含めて、彼の見えないところで検査することを保証出来ませんか・・・」
「出来ないね、はい、検査終わり、問題無し」
脳髄が割れた後頭部の中に格納され、気圧調整され、再び後頭部は閉口し、綺麗な人の頭部の形へと戻る。
「はぁ・・・」
検査が終わったと言うのに、少女は浮かない顔でため息をついた。
「それに、ずっと黙っているつもりかい?」
「そう言う騙すようなことはしませんが・・・、少なくとも今ではないです・・・」
「もっと仲良くなってから?」
「そう言うことです・・・」
「彼が逃げられなくなるほど仲良くなる、つまり彼の逃げ道を塞いでからと言うこと?」
「ダメですか?」
「それって相手のこともちゃんと考えてる?」
「・・・・」
「自分の意志を通すだけが恋愛じゃないよ」
「分かりました・・・、言います・・・・、でも今ではないです・・・」
「分かったよ、じゃあおじさん仕事あるから」
「ありがとうございました。では失礼します。失礼なおじさん」
言い返すようになったねえ、と男は指をパチンと鳴らし、上機嫌に対応する。
反対に少女は不機嫌そうに慇懃無礼なほど丁寧にお辞儀をし、再び陽電子通路を歩き出す。
男は反対側に向かって歩き出した。
「じゃあ、リンドくんもメンテしとかないとな」
そう声をかけると少女は一瞬きょとんとした表情でこちらを見た後、あからさまに警戒心を剥き出しにした。
「ああ、待って待って、これを見てくれ」
身分証IDと職業証明書と公開鍵を見せると、ようやく彼女の父親と同僚と言うことを理解してくれた。
「何の用ですか?」
「陽電子のチェックをしたくてね」
「またですか・・・、今月二回目ですよ」
「我々もなるべく負担は少なくしたいと考えてはいるんだよ、本当だよ」
彼女はため息をつくと、諦めたようにその場のベンチに座った。
そして気圧調整するような音と共に、バカッと後頭部が割れて髪の毛は持ち上がり、彼女の脳髄が後頭部から出た。
脳髄と言っても生体的な脳髄ではなく、完全に機械の、無機質な脳髄だ。
「パルス周期の問題ですか?」
「いや、短期的計測では問題無いんだが、もっと長期的周期と不規則変化を我々は見ていてね」
陽電子計測ロッドを彼女の脳髄に近づける。
「その機械、低周波の音を出していて嫌いです」
「短時間で終わらせるよ」
「ところで・・・・、これいつまで続けるんですか?」
「ん?何を?」
「検査を、です」
「何か不都合が?」
「・・・・こちらにも事情があります」
「リンドくんのことかい?」
一瞬、彼女の全身がびくっと跳ねる。
「・・・はい」
「彼と自由恋愛するのは構わないけど、それと検査に何か?」
「彼に・・・この姿を知られたくないです・・・」
「嫌われるかもしれないから?」
「・・・はい」
「恋愛の結果に責任は持てないけど、検査を忌避する理由にはならないな、彼の見えていないところでするのは?」
「緊急時も含めて、彼の見えないところで検査することを保証出来ませんか・・・」
「出来ないね、はい、検査終わり、問題無し」
脳髄が割れた後頭部の中に格納され、気圧調整され、再び後頭部は閉口し、綺麗な人の頭部の形へと戻る。
「はぁ・・・」
検査が終わったと言うのに、少女は浮かない顔でため息をついた。
「それに、ずっと黙っているつもりかい?」
「そう言う騙すようなことはしませんが・・・、少なくとも今ではないです・・・」
「もっと仲良くなってから?」
「そう言うことです・・・」
「彼が逃げられなくなるほど仲良くなる、つまり彼の逃げ道を塞いでからと言うこと?」
「ダメですか?」
「それって相手のこともちゃんと考えてる?」
「・・・・」
「自分の意志を通すだけが恋愛じゃないよ」
「分かりました・・・、言います・・・・、でも今ではないです・・・」
「分かったよ、じゃあおじさん仕事あるから」
「ありがとうございました。では失礼します。失礼なおじさん」
言い返すようになったねえ、と男は指をパチンと鳴らし、上機嫌に対応する。
反対に少女は不機嫌そうに慇懃無礼なほど丁寧にお辞儀をし、再び陽電子通路を歩き出す。
男は反対側に向かって歩き出した。
「じゃあ、リンドくんもメンテしとかないとな」
空天
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